しっとりとした風合で着心地満点の大島紬、きもの通の方ほど手を通す回数が多くなるのも当然です。
でも、せっかく丹精をこめてつくられた、そして高価な大島です。大事にいたわって付合ってやっていただきたいもの。
美しく着こなす為にも、是非お手入れを。
帰宅後のお手入れ
外出から帰って脱いだ後は、衣紋掛けにかけて一、二時間風を通してやって下さい。
そのときシミや汚れを点検して、見つかったらできるだけ早く処置しましょう。その場合、何でもベンジンでゴシゴシこするのは良くありません。
ことに泥染や泥藍など天然染料のものはベンジンでこすると赤茶けてきますので、薄いアンモニア水か中性洗剤の溶液を使う方がいいのです。
さきに囲りを大きくぼかし、そのあと汚れの個所を叩くようにして取り、もう一度水で拭きとるといいでしょう。
汚れやシミを取るときは、地をこするより、たっぷりと液をつけてむしろ洗い落す気持で叩くか押すかしていくのです。
汗ばむような陽気の時は、きものを脱いだら腋の下あたりに霧を吹いてみて下さい。
汗をかいていたらその部分が浮出てきます。薄いアンモニア液や中性洗剤水か、めんどうなら水ででも軽く洗うといいでしょう。
汚れが付いた時は
外出先でシミなどついたときは、とりあえず水をしめした布でまわりをぼかしながら、その部分をつまむように拭きとつておき、
帰ってから再点検しましょう。中性洗剤か薄いアンモニアの溶液でとれない場合、あまりこすらないで専門家に任せるましょう。
果物の汁、香水などは酸化するのが早く、とくに泥染は酸に弱いのですぐに黄ばんできます。
ミカンの汁などできるだけ早く拭きとって下さい。
また、お出かけの前、おしゃれの仕上げにと香水をおつけになる方がありますが、くれぐれもきものの上からはかけないこと。
いつのまにかシミになります。いづれも拭きとったあとはぼかすように水洗いしてよく乾いてから、布ををあてて低温でアイロン仕上げします。
簡単なお手入れ方法
毎回の手入れがめんどうな方は、せめてシーズンが終って衣替えの時、衿、柚口、裾、腋の汚れとシミの点検をしましょう。
同じ黄色くなったシミでも一年以内のものなら、専門家に持っていくと大抵とってくれますが、二年以上になるとむずかしくなります。
精緻なものほど専門家の配慮ある仕事が必要なのです。
大事なものを長持ちさせるには早い目早い目のお手入れを。洗張りも他のきものより少し早い目にお出しになることをおすすめします。
カビ予防のために
しばらく手を通さず桐のタンスの中で寝ている大島はありませんか。
特に入梅期にはカビが生えやすいもの、一度顔を見てやって下さい。カビは生きもの、手おくれになると生地を侵し直らなくなります。
泥染の大島は天然染料のため色落ちします。薄色の帯を締められる場合は注意してください。
《ご注意》
一般的なお手入れとして記載しています。汚れの種類や度合いによりご自身で判断してください。