全国に独自の織物を提供し続ける信頼のブランド
加納のマーク 室町の加納株式会社

 大島紬
 結城紬
 士乎路紬
 みさやま紬
 郡上紬
 琉球古典紬
 越後上布
 喜如嘉の芭蕉布
 宮古上布
 八重山上布
 薩摩絣
 久留米絣

  みさやま紬

みさやま紬の誕生

「みすず刈る」という美しい言葉は信濃の枕詞です。古来信濃国は養蚕が盛んであり、近世にはどの農家も紬を織っていました。 農閑期には、方々の家からトントンカラリと機音が聞こえて来ました。


松本市三才山の故横山英一氏は織音を子守唄として大きくなった人です。 氏は旧松本中学校(現松本深志高校)を卒業後上京し、東京芸大の木下保氏に師事し、声楽の勉強をしましたが、昭和11年~21年まで召集を受け戦地に赴きました。


戦後農業の傍ら蚕を飼い糸をつむぎ、経糸に絹の生糸を、緯糸に紬糸を使用し、裏山の草木を染料とし、 氏の確かな絣縞織の技術に現代の色彩感覚を取り入れてみさやま紬は出来ました。


“みさやま紬”は信州松本の在、みさやまの里で生産しています。東に近く美ヶ原の山なみを仰ぎ、女鳥羽川の源流は近くを流れています。


山谷に自生する材料を探し求めて草木染を行いますが、生の草木は明るく、透明感のある独特の色彩を見せてくれます。 染めては干し、染めては干し、色を染め重ねる事によって深みが増し、また堅牢度も増していきます。


そんな自然の中で一反、一反、丹念に織り出される紬、それが“みさやま紬”です。左は、生産者である横山家の玄関先に建つ萩原井泉水の句碑です。


染は前記の通り100%草木染めです。主な染料(玉葱、漆、栗、桜、山胡桃、蘇芳等)裏山に自生する材料で染色します。糸は経糸には絹の生糸、 緯糸には真綿の紬糸を使用しています。


その為、普通の真綿紬より滑りがよく、しなやかで単衣用の着物としても愛されています。


柄におきましては、信州紬の持ち味でもある縞、格子、を主とし創作的な横段や、簡単な絣を用いてシンプルでありながら個性的な着こなしが楽しめる紬です。


父英一氏より、みさやま紬の伝統を引き継ぎ、今現在、全身全霊で正直一途な布“みさやま紬”を生産しています。


「みさやまの命は、染料です・・。」と俊一郎氏は言われます。 その染め場には、大きな釜が二つ、そして北側に向いた窓があり、染める時は午前中の朝日の中で染まり具合を見るのが一番良いそうです。


又、染める季節等、変化する気温、湿度に対応し、素材をより生かした色に染まるよう、日々精進を重ねておられます。


染めの材料となる植物は裏の山から採ってきます。険しい山道を登り、ときには危険も伴う重労働の仕事です。


雑木林は手入れをしてやらないと自然更新できなくなるそうです。山を守る事も仕事として考えておられます。

<<前へ トップ 次へ>>